当連結会計年度におけるわが国経済は、製造業の生産活動は伸び悩み、個人消費は消費増税に伴う駆け込み需要の反動減などを背景に減少し、景気の足踏み感が見られました。さらに、米中の通商問題の悪化や新型コロナウイルスの感染拡大が世界的な景気減速を引き起こし依然として先行きは不透明な状況が続いております。
介護業界においては、超高齢化社会の中で介護や支援を必要とする人口が増加しており、今後も「団塊の世代」が後期高齢者となる「2025年問題」の解決の担い手として、拡大を続けることが見込まれております。
当社グループは、コロナ禍において進みつつある価値観の変化への対応および業績回復のため、新役員体制にて当期に臨みました。3か所の有料老人ホームの開設をはじめグループ会社の事業拡大を図り、また、当期末には福祉用具事業の譲渡を行い、創立以来培ってきた「人の手による直接的なサービス」に特化することで収益性の拡大を図りました。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大による事業活動への影響が、新規のお客様への営業活動の制限や既存のお客様の利用自粛等に表れ、従来からの介護業界の課題である人出不足と相まって、上半期は当社グループの売上・利益ともにマイナスの影響を受けました。下半期において全社を挙げての営業活動が実を結び、当連結会計年度の売上高は132億30百万円(前年同期比0.1%増)と前期比微増まで回復することが出来ました。営業利益は新型コロナ対策などの費用増加により98百万円(前年同期比11.5%減)となり、経常利益は10百万円(前年同期比59.5%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は関係会社株式売却益の発生や減損損失の計上などにより89百万円の損失(前年同期は3億18百万円の損失)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ22億37百万円増加し、196億75百万円となりました。
流動資産につきましては、前連結会計年度末より14億74百万円増加し、59億5百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金が17億21百万円増加し、受取手形及び売掛金が1億99百万円、たな卸資産が1億4百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産につきましては、前連結会計年度末より7億63百万円増加し、137億70百万円となりました。その主な内訳は、有形固定資産が6億99百万円増加したことによるものであります。
流動負債につきましては、前連結会計年度末より17億54百万円増加し、89億20百万円となりました。その主な内訳は、短期借入金が10億30百万円、1年内返済予定の長期借入金が4億14百万円、未払法人税等が2億13百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債につきましては、前連結会計年度末より6億77百万円増加し、81億77百万円となりました。その主な内訳は、長期借入金が5億54百万円、リース債務が1億4百万円それぞれ増加したことによるものであります。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ1億93百万円減少し、25億78百万円となり、自己資本比率は13.1%となりました。